Neko

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あ、アンタ!
この間、あたいの話を聞いてくれたアンタじゃないか!
久し振りだねえ。
あん時はありがとうよ。

ねえ、急いでるのかい?
…よかったら、もいちど聞いておくれよ、あたいの話…。


今日はあの子の旅立った日なんだ。
あたいの、
ううん、みんなの心のオアシスだったあの子のね。


あの子は
あきら女王様の副官として仕えていたのさ。

まだ小さかったあの子が
あきら女王様にぴったりと寄り添っている写真。
…忘れられないねえ…。

あの子は本当に
誰からも愛される、本当に可愛い子だったんだ。
あの子にはそうやって愛される理由がたくさんたくさん、あったんだ。
たとえばさ、
新しい爪とぎを買ってもらった時だってね
ちゃーんと並んで順番を待つのさ。
ずっとずっと、順番を待つのさ。

ねえ、いい子だろう…?


そんなあの子を襲ったのは
有り得ないほど残酷な病魔だった。

みんなが回復を信じ、祈った。
そして…病魔を憎んだ。

でも、今になってあたいは思うのさ。
あの子自身は
その病魔すらも憎んだりはしていなかったんだろうって。

あの子はそういう子なんだよ。
誰かを、何かを憎むなんて事
これっぽっちも考えない子だったんだよ…。



あの子は今もきっと
女王様のそばでニコニコしているんだろうね。

え?椅子?
ああ、あの子の椅子かい?
そうだね…
きっとあの子は…
女王様がなかなかの椅子を用意してくれようとしたのに断って
小さな丸椅子に座っているような気がするよ。



あの子の名前は、ちょび
ちょびっていうんだ。

忘れないでおくれ、あの子の事。
副官と呼ばれた、あの子の事を。


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