Neko

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…いつから
ここにこうしているんだろう。

ああ、お腹がすいた。
喉が渇いた。
父さん、母さん、仲間たち、
いったいドコに行っちゃったでやんすか…。

おメメが痛くなったから
いっしょけんめ、おテテでゴシゴシしやした。
でも…
どんなにいっしょけんめ綺麗にしようとしても
ちっとも治らなくて…
とうとう、あっしには何も見えなくなりやした。

寂しいでやんす。
心細いでやんす。
…悲しいでやんす。

でももう
あっしには…
立ち上がるちからもなくなりやした。
瞼が重い…。

サヨナラ。
サヨナラ、みんな。
サヨナラ…。


その時
遠のく意識の中
あっしの耳に、賑やかな声が聞こえてきやした。

「うわー、ちょっと、みんな!
 大変大変!
 なんだか行き倒れちゃってるコがいるよ!」

「あれーっ、ホントだ。
 これはやばいよっ」

「そーだそーだ、何とかしないと!」


…うん?
ずいぶん大勢さんみたいでやんすね?
あ。
先頭は白くてオトコマエの兄さんでやんす。

あれ?
でも…
あっしのこのおメメで見えるってコトは
兄さん達、この世の方ではいらっしゃいませんね?

「うん。
 オイラ達、みんな魂猫さま。
 オイラは『う~』っていうんですよ、よろしく」

ああ、う~兄さん。
あっしを迎えに来てくれたでやんすね。
あっし、あっし…
ひとりぼっちになったまま逝かなくていいんでやんすね。
ありがとうございますでやんす…。


「違うですよ!
 生きるの。
 生きるですよ!
 生きてるって、すっごく素敵なコトなの。
 どんなに辛くても、大変でも。
 オイラ達みんな、それを知ってるです。
 魂さまになったからこそ、知ってるです」


生きる、でやんすか?
素敵なコト、でやんすか?
あっし、あっし…
もっと生きてもいいんでやんすか?

「そう、生きるの。
 こっち、こっち。
 頑張って歩いて。
 オイラのねーちゃんのおうちに案内してあげるから。
 ね?
 ほら一歩だけ、よいしょ。
 また一歩だけ、よいしょ!」

「よいしょ、よいしょ、
 よいしょ、よいしょ!
 がーんばれ、がーんばれ♪」




たくさんの魂兄さん、魂姉さんの応援で
あっし、歩く事が出来やした。

そして…
次の朝
あっしは聞いたんでやんす。
「はじめまして、ワタシ、かよといいます♪」という声を。

あっし、すぐにわかりやした。
このニンゲンさんが
う~兄さんの「オイラのねーちゃん」さんなんだって。

だから
最後のちからを振り絞ってお返事したんでやんす。
「はじめまして」って。


早いもんでやんす。
あの日から、もういちねん…。



父さん、母さん、仲間たち。
いかがお過ごしでやんすか?
時々は
あっしのコト、思い出してくれているでやんすか?
あっしは元気にしておりやすよ、
心配しないでくださいでやんす。

そうそう
今の名前は、梵といいやす…。









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